総予測2024#76Photo by Yoshihisa Wada

ライバルのSBI証券に追随する形で2023年、国内株式委託手数料の無料化に踏み切った楽天証券。新NISA(少額投資非課税制度)の開始で投資への関心が高まる中、インターネット証券「2強」の顧客争奪戦は最終局面に入った。みずほ証券との資本関係を強める楽天証券は、一体どのような”勝ち筋”を描いているのか。特集『総予測2024』の本稿で、楠雄治社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

「ど真ん中で勝負」に挑む
手数料無料化で「勝ち組」に

――2023年8月に発表した日本株の手数料無料化は、どのような社内議論を経て決定に至ったのでしょうか。

 無料化の波がいずれ来ることは分かっていたので、1年ほど前から議論を始め、23年春ごろに機関決定しました。

 日本株は証券会社にとって“ど真ん中”のプロダクトです。

 お客さまは当然、売買手数料がゼロになった会社で口座を開設する。そうすると日本株以外の商品サービスもそちらに流れてしまう。勝負の世界で勝ち組になるために無料化は避けて通れない。ど真ん中で勝負することは絶対に必要だと判断しました。

――手数料収入がゼロになるマイナス影響は小さくないはずです。

ど真ん中で勝負することは絶対に必要だーー。楠社長の発言からは、SBI証券との絶対に負けられない戦いに挑む覚悟がにじむ。だが、その代償も大きい。手数料を無料化にすれば当然、手数料収入が絶たれるからだ。「勝ち組」になるための戦略とは何か。そして、その先にどのような世界を見据えているのか。次ページで楠社長に問う。