総予測2024#44Photo by Yuji Nomura

伊藤忠商事は2024年3月期に3期連続で純利益8000億円を叩き出す見通しだ。特集『総予測2024』の本稿では、石井敬太社長に高収益の“常態化”に自信を見せる理由を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 猪股修平)

純利益8000億円の水準
3年連続で達成見込み

――2023年はどんな1年でしたか。

 ロシアのウクライナ侵攻により原油やガスのサプライチェーンが壊れるという「パニック市場」に陥ったのが22年。やや落ち着くかとの見通しで始まったのが23年。ネガティブとポジティブ両方の側面がありましたが、当社は比較的安定した状態で着地しそうです。

 中国経済の不況で落ち込むかと思いきや、円安によってバランスが取れたり、混乱の中でも国内事業会社が順調な仕上がりを見せたりした。結果、純利益8000億円の水準を3年連続で達成見込みです。現在は、そのステージをいかに固めるかという段階にあります。

――24年はどうでしょうか。

 中国の経済回復には時間がかかりそうです。鉄鉱石などの資源価格も含め、中国の景気回復を待たざるを得ません。24年には米大統領選もあり、米金利がどう変化するかも注目しています。

――天気予報で例えると?

 お昼くらいまでは曇りで、それから薄日が差して、夕方にきれいな夕焼けが見えるという感じでしょうか。世界経済が盛り上がって中国経済が正常化する、米国も経済を刺激する、こういったことが「きれいな夕日」につながると考えています。

次ページでは、石井社長に高収益の“常態化”に自信を見せる理由を聞いた。