総予測2024#77Photo by Yoshihisa Wada

独自の投資戦略で数々のM&A(企業の合併手・買収)を成功させてきたオリックス。世界経済の分断が進むなかで2024年にどう挑んでいくのか。特集『総予測2024』の本稿では、井上亮社長・CEOに今後の投資戦略を聞いた。(ダイヤモンド編集部 金山隆一)

DHCを3000億円で買収
買収資金の内訳とは?

――800億円で買収した弥生(会計ソフト)を2021年末に2600億円で米KKRに売却しました。

 弥生は長期保有するつもりでしたが、シナジー(相乗効果)が得られないと判断しました。M&A(企業の合併・買収)はハンズオン(経営に深く関与)してバリューアップし、一本立ちしてもらうか、売却かを判断する。弥生が高く売れたのは結果論です。

――その利益を化粧品通販のDHCの買収に使ったのですか。買収額は3000億円です。

 3000億円のうち1000億円がエクイティー(出資)。1000億円はノンリコースローン(買収先の事業収入を返済原資とする融資)、1000億円はDHCの持つ現金です。将来は当社のコア事業になると期待しています。

東芝への出資が話題になったオリックス。24年は具体的にどの地域、分野の投資に注力していくのか。次ページでは、井上社長が投資先について詳細を語る。