
近年、外国人観光客が集う場所として活況を呈している北海道のニセコ。インバウンド向けの高額な食品やリフト券が販売されるなど、すっかり外国人向けの街となってしまったニセコに困惑する声も上がっているものの、観光地としては大きな成功を収めている。日本各地に広がる「ニセコ化」現象と東京ディズニーランドの共通点を解説する。※本稿は、谷頭和希『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
日本各地で進行する「ニセコ化」は
2つの要素で成り立っている
それぞれの地域や場所において、「選択と集中」が進み、結果としてそこが他とは異なる特別な「テーマパーク」のようになることが日本各地で進行している。
この「ニセコ化」(編集部注/特定の地域や都市が「選択と集中」の戦略により、まるでテーマパークのように変貌する現象)が生まれた時代背景について考えていきたい。それは、特にここ数年で顕著になっている流れだが、歴史的な必然性がある。その成り立ちを考えることで、「ニセコ化」の特徴もより一層、理解できるだろう。
「ニセコ化」は、どのような流れで生まれてきたのか。
これについて私は、2つの要素の成り立ちを見ることで、その現象の誕生がわかると考える。
(1)テーマパークにおける「空間作り」
(2)「マーケティング」手法が生み出した「選択と集中」
(1)・(2)に分けて、それぞれ見ていこう。