
残業なし、怒られない、快適な職場――そんな“ホワイト企業”に身を置きながらも、「やりがいがない」「成長できない」と自ら退職を選ぶ若者たちが増えている。さらには、「自分で辞めると言えない」と退職代行サービスを利用するケースも増えつつある。こうした傾向に対して、「甘えだ」「逃げだ」とする批判もあるが、ひろゆき氏は「むしろ健全」と語る。“やりがい神話”に縛られすぎず、「仕事=お金」と割り切る柔軟な発想。さらに、退職代行で見えてくる職場の問題点。常識が揺らぐ今、「働くこと」とどう向き合えばいいのか。ひろゆき氏のリアルな言葉からヒントを探る。(ライター 池田鉄平)
「やりがいなんてなくていい」
ひろゆきが語る、働くことの本質
――最近では、残業ゼロ・怒られない、いわゆる“ホワイト企業”に勤めながらも、「やりがいがない」「成長できない」といった理由で辞める若者が増えています。ひろゆきさんはこの傾向をどう見ていますか?
僕は、むしろいい傾向だと思っています。若者を腫れ物のように扱うことが正解ではないし、教育だって同じ。失敗しても怒られない環境で育っても、人が必ず優秀になるとは限らない。だからこそ、あえて厳しさや挑戦を求める若者が増えているのは、健全な変化じゃないでしょうか。
企業側も、どんな働き方や環境がどんな人に合うのかを、もっと柔軟に見極めていくべきです。
――とはいえ、「何をやっても満たされない」と感じる若者も少なくありません。そういう人たちは、どうやって働くことに意味や満足を見出せばいいのでしょうか?
正直なところ、仕事に本当の満足感を持てる人なんて、限られた“恵まれた仕事”をしている一部の人だけですよ。
僕が昔やっていた佐川急便の仕分けの仕事は、やりがいなんて皆無。ただ、番号を見て荷物を仕分けるだけの繰り返し。「自分じゃなきゃダメな仕事」でもない。
だから、「仕事=やりがい」と思い込むのは危険です。仕事はあくまでお金を稼ぐ手段。ちゃんと生活できて、趣味や人間関係といった他の場面で充実感を得られるなら、それで十分じゃないですか。