東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。270円安の38,004円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で315円安の37,958円まで下落しました。
しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋ると11時10分前にプラスに転じ25円高の38,299円で前場を終えました。
74円高の38,348円でスタートした後場の日経平均は直後に81円高の38,355円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局37円安の38,236円で取引を終えました。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
2024年3月期の業績予想を上方修正し、期末配当を引き上げたAOKIホールディングス(8214)とタカラトミー(7867)が買われました。AOKIホールディングスはファッション事業における仕入価格の上昇に対応した適切な販売施策を実施したことなどにより130億円とみていた2024年3月期の営業利益の見通しを138億5千万円に上方修正し、期末配当を従来予想から10円積み増し37円にすると発表したことから一時15.6%高となり年初来高値を更新しました。
タカラトミーも日本やアジア地域における玩具及び玩具周辺事業が好調に推移したことに加え、原価率の改善もあり2024年3月期の営業利益の見通しを170億円から185億円に引き上げ、期末配当を従来予想から7円積み増し32円50銭にすると発表したことで一時8.5%高となりました。
J.フロントリテイリング(3086)も一時4.4%高となりました。訪日外国人売上が前年の3倍となるなど好調に推移したことに加え、ラグジュアリーブランドや化粧品が大きく売上を伸ばしたことなどから大丸松坂屋百貨店の4月の売上高が前年同月比13.5%増となったことで大幅高となりました。
調剤薬局大手のアインホールディングス(9627)も一時2.3%高となり年初来高値を更新しました。香港のアクティビスト(物言う投資家)のオアシス・マネジメントがアインホールディングスの株式を買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書により明らかとなったことで買いが優勢となりました。
一方で本決算を発表したイビデン(4062)が12.3%安となり年初来安値を更新しました。主力のICパッケージ基板でパソコンや汎用サーバー向けの需要回復が遅れることなどから2025年3月期の営業利益が前期比で11.7%減となる見通しを示したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は37円安となりました。昨日の米国市場で半導体株が売られたことや、急速に進んだ円高への警戒感から続落となりました。
しかし、節目の38,000円を小幅に割り込んだところで押し目買いが入り下げ渋るとプラスとなる場面もありました。そのため38,000円近辺での底堅さが意識されそうです。
なお、決算発表が続いています。本日も引け後には丸紅(8002)や日本航空(9201)などが決算を発表する予定です。また、2日の米国ではアップル[AAPL]などが決算発表を予定しています。
さらに日本時間の3日21時30分には4月の米雇用統計が発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策を占ううえで関心が高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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