中国も「新エネルギー車」に本腰
2020年までに燃料電池車1万台普及
トヨタ「MIRAI」のカットモデル。車体後部には、トヨタ内製の水素タンク Photo by Kenji Momotaでは、どうして中国人がこのタイミングで燃料電池車や水素関連技術へ興味を持ち始めているのか?
その理由は、中国政府が2016年10月26日に通達した、2016年~2030年までのエネルギー節約とNEV(ニュー・エナジー・ヴィークル:新エネルギー車)に関する技術開発と普及ロードマップの影響だ。
精華大学の資料によると、このロードマップでは、ハイブリッド車、EV(電気自動車)、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、バッテリーなど、次世代車の技術開発を7つの領域に分けて、大学など政府機関による基礎研究と企業による量産技術について、各種技術の達成目標年や普及台数を定めた。
具体的には、燃料電池車を2020年までに1万台(乗用車5000台、商用車5000台)、2025年までに10万台、そして2030年までに100万台の普及を目指す。水素ステーションについては、現時点で3ヵ所のみだが2030年には世界最大級となる1000ヵ所を目指すとした。
そもそも、中国での次世代車開発の歴史は古く、鄧小平氏が1986年3月に立案したといわれる「863計画」が主体だった。中国での自動車開発の生産が急伸した2000年代に入ってから、中国各地で開催された次世代車に関するカンファレンスを取材してきたが、中国政府の説明はいつも「863計画」ありきだった。
そうした中、2009年~2012年にかけて中国全土で実施された「十城千両」が、中国における次世代車開発に関する大きな転機となった。当初は10都市(十城)それぞれで1000台(千両)、つまり計1万台というイメージだったが、都市の数は段階的に引き上げられ最終的には25都市まで拡大。車両総数は5万2623台となった。しかしその大半はプラグインハイブリッド車と電気自動車(EVE)で、FCVはごくわずかだった。
十城千両が始まった2009年、深センで開催された電動車に関する国際カンファレンス「EVS」は、大型EVバスやリチウムイオン二次電池など、中国全土から企業が出展し、EVバブルの様相を呈していた。ここでは、トヨタが小型車「iQ」を改良したEVの「eQ」が世界初公開となった。



