中国サンライズ社は、燃料電池バスの主力メーカー Photo by Kenji Momotaところが、十城千両は2012年にいきなり中止される。これについて、中国の次世代車を専門とする中国人メディア関係者は「地方自治体の事務処理が追い付かず、中央政府が中止と決めた」と話す。
その後、PM2.5の悪化への対策として、再び電動化による次世代車に注目が集まり、中央政府はEVやプラグインハイブリッド車に対する販売奨励金(インセンティブ)を再開した。
その結果、中国自動車工業会の発表によると、2016年のNEV(新エネルギー車)の生産総数は約51万7000台。内訳は、乗用車約34.4万台(EV:26.3万台、プラグインハイブリッド車:8.1万台)で、商用車が約17.2万台(15.4万台、1.8万台)となった。
プラグイン燃料電池車の
普及を当面は目指す
本連載の著者、桃田健史さんの新刊「100歳までクルマを運転する」(洋泉社、価格1512円)が好評発売中。近年、高齢ドライバーによる交通事故の増加がメディアでも大きく取り上げら れている中で、高齢ドライバーの実態と、何歳になってもクルマを運転し続けるためのクルマの未来を解説しています。今回発表された、新エネルギー車に関するロードマップでは、鄧小平以来の「863計画」からの転換を示唆するものだ。
中央政府はNEV(新エネルギー車)に関して、EVとプラグインハイブリッド車を重視してきたこのような支援方法を見直す。
EVに対する販売奨励金を徐々に減額して2020年には終了する一方で、燃料電池車については販売奨励金を継続。乗用車で20万元(約34万円)、商用バンで30万元(約51万円)、そしてバスが50万元(85万円)となる。
また、技術的には当面、プラグイン型の燃料電池車(FCPHEV)の開発を重視する。中国では、燃料電池車の技術の中核である燃料電池スタック分野では、カナダの大手企業バラード社に出資するなど欧米企業との技術提携を強化しているが、各種の部品の量産技術が確立されていな状況だ。
そのため、燃料電池車の開発で世界をリードしている日系企業に対しても、量産技術での連携を打診している。それによって中国が早期の量産化を目指しているのが、FCPHEVというわけだ。搭載する電池容量を増やして外部からの充電を行うことで、燃料電池のサイズを小型化し、車両全体のコストを下げる狙いがある。2020年頃まではFCPHEVを重視し、2020年以降に燃料電池車(FCV)へ移行するという。
水素社会を目指す日本はこれから、中国とどのように付き合っていくべきか。果たして、日中両国にとって「WIN-WIN」の関係を実現することは可能なのか。今後の動向を注視していきたい。
(ジャーナリスト 桃田健史)



