“中華スーパーカー”は
世界初のタービンエンジン採用量産車に!?
「中国製の凄いスーパーカーがいる!!」
スイスのジュネーブモーターショーで、欧米メディアが浮足立った。
ランボルギーニ、フェラーリ、アストンマーチンなどヨーロピアンスーパーカーの老舗に交じって、本格的な中国製スーパーカーが登場したのだ。
メーカーは、北京に本社を置く「テックルールズ」社。同社が製品を公開したのは今回が世界初である。
出展車は、ベースモデルの「GT96」と、ハイグレードな「AT96」の2台だ。
2車ともに、深みのあるブルーを基調としたリアミッドシップの2シーター。どことなくマクラーレンに、そしてアキュラNSXに似ているように思える「スーパーカーの王道」のフォルムだ。
全長×全幅×全高=4648mm×2034mm×1140mm、ホイールベースは2655mm。車体は軽量化と高剛性を狙い、「スーパーカーの王道」であるカーボンファイバーのコンポジット。車両重量はトヨタ「プリウス」とほぼ同じ1380kgに抑えた。
最大の特徴は、パワートレイン。車体の前後それぞれに1基ずつ、合計2基のモーターを積み、さらに車体後部の上部にタービンエンジンを搭載する。これを同社では、TREV(タービン・レンジエクステンダー・エレクトリック・ヴィークル)と呼ぶ。タービンエンジンは、燃料を燃やし発生したガスでタービンを回して動力を得る仕組みで、航空機用のジェットエンジンもタービンエンジンの一種だ。
モーターとタービンエンジンを合算した最高出力は1044馬力。最高速度は350km/h、停止状態から100km/hまでの加速は2.5秒だ。
レンジエクステンダーとは、EV(電気自動車)を基盤として、バッテリーとは別に電気を発生させる動力源を持つ仕組み。最近では、PHEV(プラグインハイブリッド車)と“ほぼ同義”で用いられる用語だが、厳密にはPHEVは動力源が駆動軸に直接力を加える。レンジエクステンダーは、動力源は発電のみに使用することで区別される。