ラスベガスCESの再来
中国主導で欧米関係者が動くカタチへ
「なんだ、まったく同じ面子じゃないか!?」
北京モーターショー(一般公開2016年4月29日~5月4日)の報道陣向け公開日。乗用車では中国最大勢力の独フォルクスワーゲンに続き、午前9時20分から「LeSEE」社の記者会見が始まった。会見場内は押すな押すなの大盛況だ。
LeSEEが自動車ショーの舞台に登場するのは今回が初めて。だが、4月20日に同社独自のイベントを開催し「自動運転車」を公開したことがインターネットを介して世界各国に知れ渡っており、今回のショーでもメディアの関心は極めて高い。
ところが壇上にズラリと並んだのは、今年1月にラスベガスで開催された世界最大級のIT・家電見本市「CES2016」で、世界初登場した謎のEVベンチャー「ファラデーフューチャー」の幹部たち。テスラ「モデルS」の元開発総責任者、上海GM(ゼネラルモーターズ)の元役員などの面々だ。
会見を進めるのは、ファラデーフューチャーのCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)。会見の流れは、LeSEEは自動運転、ライドシェア、eコマースなど、自動車産業界の新たなる潮流をビジネスチャンスとして捉えて積極的な投資を行なうというもの。研究開発拠点は、ロサンゼルス、北京、ロンドンの他、欧州内とインドにあるという。
だが、ファラデーフューチャーとLeSEEとの関係については、まったく触れなかった。
そこで、記者会見の直後、ファラデーフューチャーの開発総責任者、ニック・サンプソン氏に直接話を聞いた。すると実車を目の前に「LeSEEとは技術的に連携していく。この自動運転車でも我々がEV技術を担当する」と答え、足早にその場を去っていった。