生活を整える道筋を
グループ連携で支援

三井不動産レジデンシャル
プロジェクト推進部
プロジェクト推進室室長
指田孝也氏

 建替えはデベロッパーを事業協力者として選定した後、再建後のマンション計画を具体化すべく動き始める。建物のプランを練り、行政との協議を重ね、区分所有者の要望を細かくくんで全体計画に反映していき開発に着手する。

 「そうした建物中心の流れが事業協力のメインストリームになりますが、住み替えなどに伴う各区分所有者の生活を整える道筋をしっかりサポートすることも、事業協力の重要な要素となります。区分所有者の中にはご高齢の方、お若い方、ご自身がお住まいの方、お貸しになっている方など、それぞれご事情が異なり、考え方も異なります。お一人お一人に合わせた対応が必要になってきます」(同社プロジェクト推進室室長 指田孝也氏)

 そこで力を発揮するのが三井不動産グループ企業の連携だ。三井不動産レジデンシャルだけでなく、建替えに関連してグループ企業が柔軟に連携していることに注目したい(上図参照)。

 「区分所有者の方の中には、建替えに反対ではないが、自分がどう関わっていったら良いか分からずお困りの方もおられます。仮住まいの問題、再建マンションを取得すべきか否かの判断、賃貸収入減への対応など、多くの解決すべき課題があります。特にご高齢の方は、先行きが見えないとご不安で、より多くのお悩みを抱えられておられる傾向があります」(指田氏)

 建替えの道筋で生じる多くの課題に対しては、三井不動産グループ企業がそれぞれ解決策を提案。仮住まい探しには三井不動産レジデンシャルリース、建替えを機に買い替える場合は三井のリハウス、高齢者の住まい方の相談には三井不動産ケアデザイン室といった具合だ。

 長期にわたりスケジュールも変動する建替え事業において、臨機応変に課題解決のサポートを得ることは、実は案外難しい。三井不動産グループ企業がサポートする場合は、各グループ会社の連携により随時適切な提案が行われる。機を逃さない選択ができると好評だ。

足しげく通い
心を通わせていく

三井不動産レジデンシャル
プロジェクト推進部
プロジェクト推進室主任
永田愛理氏

 「建替えは皆さまの資産に直結し、人生を左右する重大な問題ですので、一朝一夕には進みません。時間をかけてじっくりお話を伺うことが大事だと思っています」(同社プロジェクト推進室主任 永田愛理氏)

 コンサルティングは管理組合との打ち合わせに始まり、直接区分所有者の考えを聞くことを積み重ねていく。

 「信頼していただき、心を開いていただくと、より細かにお考えを教えていただけるようになります。ご高齢の女性の方など、不動産会社という存在自体に不安を抱いている方もおられるので、建替えに関する内容に限らずじっくりと、お話を伺うようにしています」(永田氏)

 信頼関係を大切に、顧客に寄り添い続ける。昔から同社の人材の豊富さを指す“人の三井”という言葉がある。その力は遺憾なく、建替えに発揮されているようだ。