急ピッチで進められる
AIの支援体制の整備

 AIの進化を支援する同社は、急ピッチでAIシフトを進めている。今年3月には、AI事業本部を設置して、2016年に買収した深層学習のスタートアップ企業であるNervanaを組み込むとともに、AI専門の研究組織としてAIリサーチラボを新設した。デイビス氏は「パートナーが必要とするソフトウエア、ハードウエア、資金など、全てを積極的に提供していきます」と意気込みを語る。

 ハードウエア面で、インテル XeonプロセッサとFPGAを組み合わせたIoT向けソリューションを提供したり、高速処理が可能なハイパフォーマンス・コンピューティング向けのプロセッサを開発するとともに、前述したような開発プラットフォームも提供していく。「AIに求められる要素をエンド・ツー・エンドでカバーしていく」(デイビス氏)のが同社の基本路線だ。

 その同社が技術面で注力しているのが、AIのトレーニング期間の短縮だ。AIが使えるようになるためには、データから学習するトレーニングが必要になる。AIを加速させるためにはこの期間が短いほうがいいに決まっている。そこで新しいNervanaの製品を活用して、2020年までにトレーニングにかかる時間を現在の100分の1に短縮する予定だという。

 また、AIをビジネスに適用するための人材についても大幅に強化している。「AIはニーズや要件によって、どう適用していくのかが全く異なり、個別のアドバイスが必要です。インテル自身、データ活用の専門家であるデータサイエンティストを揃えて、そのニーズに対応していきます」とデイビス氏はデータ人材の充実を強調する。

 ハードウエアからソフトウエア、パートナー、そして人材とAIの推進に必要な要素は全て揃った。デイビス氏は「AIのことで聞きたいことがあったら、まずインテルに相談してください」と語る。AIに取り組む心強いパートナーとして、同社の存在感がますます大きくなっている。