マハティール元首相は、自分の言動1つで他国との紛争を起こし得る立場であるからこそ、世界平和を常に意識しているのであろう。実際、世界では多くの紛争が起こっている。現代の日本では、紛争など全く関係ないように思えるが、未来が平和であるかどうかは、私たち国民のあり方によっても変わってくるのではないだろうか。

 実は、シンガポールに住んでいる人は、マハティール元首相に対して“52年前にシンガポールをマレーシアから追放・独立させたマレーシアの大ボス”というイメージを持っている。SPに伴われての“大ボス”登場に、演説会場の緊張は最高潮に高まった。

 そのマハティール元首相が開口一番、世界平和を語り、筆者が驚かされたことは前述した。しかしさらに驚いたことに、91歳のご高齢にもかかわらず、氏はスピーチの最中、1時間もずっと背筋を正した姿で立ち続けていたのだ。

マハティール元首相に対して一番乗りで挙手し、質問する筆者

 質疑応答では、元首相の知識の広さと頭の切れが際立った。その場でランダムに選ばれた参加者の質問に対し、マハティール元首相自身が即座に、明確に回答し、時には現政権の批判もオープンに語った(ちなみに筆者は、一番に質問を当ててもらえて、直接話すことができた。正直、嬉しかった)。

 極めつけはセミナー後、参加者一人ひとりとツーショットの写真まで撮ってくれた。穏やかさと揺るぎない信念を感じさせるその姿は、「さすがは元国家元首」と納得させられるオーラに溢れていた。

マハティール氏に学ぶ
胸に刻むべき日本人の心得

 そこで今回は、マハティール元首相のスピーチから筆者が感銘を受けた内容をお伝えし、併せて時々筆者が考える「日本を正すために日本人が最低限心がけるべきこと」についても述べたいと思う。

(1)平和は自ら働きかけてつくり出せ

 マハティール元首相が第一に伝えた世界平和の大切さ。元国家元首が語るからこその重みを感じた。筆者のエグゼクティブMBA同級生であったクロアチア人女性も、以前同じような話を語っていたことがある。

 彼女は、クロアチアの唯一の女性ヨットクラブのキャプテンで、女性の社会進出に向けて尽力する、熱意溢れる起業家であった。クラスでグローバルリーダーの責務を語り合っていた際、次のように熱弁した。

「私はクロアチア紛争を経験した。民族紛争を煽るのは常に政治家である。クロアチアの紛争は政治家が引き起こし、世界の紛争も政治家の利害で引き起こされている。しかし、もし戦争が起こった国同士の全ての人々が、お互いに友達になることができれば、その友達を殺したいと思わないはず」

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居心地のいい日本から若者が離れない機会損失


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