21世紀を生きる 子どもの育て方

文部科学大臣補佐官 鈴木 寛 特別インタビュー

これから数年間で、学校も入試もこんなに変わる!
21世紀を生きる子どもの育て方 【第2回】

著者・コラム紹介
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―そこを大学の先生たちはきちんと整理しないといけない。

鈴木 ハムレットでもいい。板挟みと想定外の事態をこの劇を通して学べます。学ぶときはメタな学びが大切。共通1次世代はメタ認知が弱い。これはこれ、あれはあれ、これは学んでいませんとなってしまう。賢い人はメタ思考ができるので応用が利きます。

 冒頭で申し上げた、激動の時代に不安になる気持ちを断ち切るには、未知との対峙の仕方を学び、知的に楽しむ好奇心を持つことです。コンフリクトが起きたときには、ハムレットで学んだあの型だな、昔も今も変わっていないなと。

メタ認知
metacognition
マークシートの中から「正解」を選ぶことに慣れた共通1次試験・センター試験世代にとって苦手な頭の使い方。メタとは「高次の」という意味。自分を客観的に眺めて、そこから得られた情報から重要なものを選別する。認知を認知する (cog-nition aboutcognition) などと表現される。教育現場ではメタ認知能力の育成は重要な課題となっている。

―それが学ぶということだと。

鈴木 教養教育というのは、板挟みと想定外に遭遇した先人たちの物語を学んで、そこから知恵や勇気をもらうこと。そのように歴史や文学を教えるという意識を教える側が持たないといけない。

 コミュニティ・スクールは昨年の2800校から今年は3600校に増えました。日本人の学習能力は基本的に高いので、コミュニティ・スクールの委員など当事者になれば勉強し始めます。すると教育委員会や校長も耳を傾けざるを得ない。だから、ここから動かすのが一番早いと思う。

 あるお母さんが「なんで区立校はこうなの」と思って、初めて学校教育法を読んだ。教員は東京都が決める。教科書は文科省が検定している。「区と都と国がバラバラだから誰も決められないのですね」と。感動しました。お見事、ちゃんとクリティカルシンキングをして、本質が分かっている。

 例えばグローバル化。農業も建設業も今や外国人労働者抜きには成り立たない。

コミュニティ・スクール
Community School
保護者や地域ニーズを反映させるため、地域住民が学校運営に参画できるようにする地域運営学校の仕組み。2002年に東京の足立区立五反野小学校など全国7地域9校でモデル事業として開始、04年には法制化、今年4月からは教育委員会に導入が努力義務化されている。現在、3600校にまで拡大した。鈴木寛氏が熱心に取り組んでいる。答えが見つかる「足元」の1つでもある。

 

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後藤健夫[教育ジャーナリスト&アクティビスト]

1961年愛知県生まれ。南山大学経済学部卒業後、河合塾に就職。独立後は、大学コンサルタントとして、有名大学などのAO入試の開発、入試分析・設計、情報センター設立等に関与、塾・高校の進学アドバイザーも。早稲田大学法科大学院設立に入試設計・募集担当として参加。Pearson Japan K.K 高等教育部門顧問。『セオリー・オブ・ナレッジ―世界が認めた「知の理論」』(ピアソンジャパン)を企画・出版。


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