基礎知識を覚えておけば
いつでもどこでも思考時間

●会議と移動は格好の思考時間

 会議中こそ最大の思考時間である。とにかく本来まったく出席する必要のない会議に時間を拘束されすぎているのだ。そういう会議にあっては、(あまり大きな声で推奨するのは憚られるが)重要な討議や自分に関係のある発言にだけ注目し、定例事項の報告など資料を見れば分かることの説明中は、思いきり考える時間に充てるとよい。

 「何を考えるべきか」、「何を解決するべきか」、「関係者間の利害関係の状況はどうなっているか」などが明確になっていて、頭の中に定着している状態なら、手元に資料やPCがなくても問題なく考えられる。

 いまはなんでもネットで検索できるので、基礎情報を覚える習慣はないかもしれないが、いつ何時でも考えられるようにするために基礎情報や関係図は覚えておかなければならないのだ。それさえしておけば、結果的に仕事の効率は上がる。会議中に考えたことは、紙に単語か図だけ小さくメモをとっておき、会議の終了後にすぐに補足しておく。

 会議中よりさらによいのは移動中である。顧客先への行き帰りなどは格好の思考時間だ。会議中と同じで考えるためには頭の中に構図をつくっておくことが必要だ。

 ただし、集中しすぎるあまり、会議中に「いまのはどう思う?」と突然水を向けられて泡を食ったり、電車を乗り過ごしたりすることのないよう、くれぐれも注意されたい。

●他人の頭で考える

 自分の知識や思考だけでは不十分な時だってある。そんな時は、自分以外のその分野に詳しい人、そのテーマの好きな人に相談を持ちかけ、自分の代わりに考えてもらう。

 何も躊躇することはない。「どう思う?」と聞かれることは考えるに足る内容であることが多いので、聞かれるほうもよいトレーニングになるのだ。思考回路を広げ、新たな情報源を開拓するチャンスでもある。優秀な人は自分の考えの幅が広がることを歓迎するのが常だ。

 ただし、頼むからには、自分も十分に考え抜いていること、相手に考えるための刺激を与えられること、逆に普段、他人から相談されたときには、依頼を断らずに全力で考えるという、ギブアンドテイクの関係を築いていることが前提である。相談された瞬間には、自分の時間が削られて困ると思うかもしれないが、長い目で見ればそれで得るものは大きい。そうして刺激的な問いをやりとりし合える仲間が増えれば、目下の問題の解決以上の財産ともなる。

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頭の中に作業ウィンドウを用意


 

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