国の支援策などの動きとあいまって、官公庁や自治体の請負業務が中小企業に発注されるケースが増えているという。入札マーケットの規模は年間20兆円以上とも試算されているが、「うるる」では入札情報速報サービス「NJSS」を提供し、中小企業の入札参加支援を行っている。同社の秋元優喜氏にその特徴を聞いた。

今、入札マーケットに
注目が集まる理由

――長引く不況のなか、新たな販売先を獲得しようと入札に意欲的に参加する企業が増えていると聞きます。 

株式会社うるる
NJSS事業部 事業部長
秋元優喜(あきもとゆうき)氏

秋元:現在、官公庁・地方自治体の発注予算は年間20兆円を超えています。一般的に入札と聞くと建設工事をイメージする人が多いかもしれませんが、実はそれ以外の物品・役務と呼ばれる案件、具体的には、物品の製造・販売や、システムやネットワークなどのIT系、人材派遣、WEB制作などサービスに関わる案件も膨大な数が公示されています。具体的には、国、官公庁の発注の6割は、物品・役務の案件です。

 入札に参加することのメリットとしては、(1)価格が大きい(平均落札価格3700万円 NJSS調べ)、(2)案件数が多い(2010年度年間総案件数:61万3890件、NJSS調べ)、(3)支払い滞納がない、(4)官公庁や自治体との取り引きを行うことによって自社の信用度がアップする、などが挙げられ、大きな魅力を感じます。

「大企業しか落札できないのでは?」という質問をいただくことも多いのですが、決してそんなことはありません。年々中小企業への発注割合は上がっており、現在では予算の7割近くが中小企業向けの発注に利用されています。入札資格さえ取得すれば、誰もが参加できる開かれた市場なのです。