日本発ソーシャルメディアは
世界でどんな発展を遂げるか

■グリー
地域ごとの市場動向を観察し、10億人が利用するサービスを展開 

グリー代表取締役社長 
田中良和氏

 グリーは、SNS、プラットフォーム、ゲームを自社で制作しており、デバイスはスマートフォン、モバイルに特化。「これらをすべて垂直統合して展開しているのが特徴で、こうしたビジネスモデルは世界でも数少ない。世界戦略でもこのビジネスモデルを展開し勝ち抜いていきたい」と田中社長は語る。

 同社はサンフランシスコ、北京、シンガポール、ロンドンなどに海外拠点を有するが、今年、7500万人のユーザーが利用する米OpenFeint社を買収するなど、全世界でトータル1億2000万ユーザーを有しており、海外のユーザー数が全体の約8割を占めるという。

 一方で、売り上げの99%が日本のユーザーであるため、「海外のユーザー1人あたりのユーザー単価が上げる」ことが課題(田中社長)としている。

 また、「このゲームはブラジルとイスラエルで流行っているけどヨーロッパで流行っていないとか、北米で流行っているけど欧州で流行らないとか、全世界で広くあまねく成功するものはなく地域で変異が出る」と、田中社長は世界のマーケットで生じる温度差に触れ、地域ごとにデータを見ながらカスタマイズしていくことがグローバル化において重要と話す。

 その上で、「今後5年、10年で世界で10億人以上のユーザーを持つサービスがいくつも生まれてくる。われわれも10億人が使うサービスを提供していくのがミッション」と今後の展望を語った。