最高のプロダクト品質追求と
グローカルな市場観察力と

dmg::events プレジデント
スーザン・マクダーミッド氏

「ad:tech」を主催するdmg::events プレジデントのスーザン・マクダーミッド氏は3人の経営者に対し、グローバルで成功する条件を「最高品質のプロダクトの追求」と、グローバルな市場とローカルな市場を的確に把握する「グローカル」な視点を持つことが成功のカギだと考えるが、そこを具体的にどう考えるかという質問を投げかけた。

 笠原氏は、「基本的には自分たちのユニークさを磨くことで万国にプロダクトがうけるだろうと考える」と言い、自社で世界市場展開を行っていく姿勢を示したが、一方で、自社と同じ価値観、同じ方向性を持つ企業があれば、現地企業とパートナーシップを結ぶ可能性にも言及した。

 藤田氏は、ネットビジネスでも言語によるコミュニケーションの壁は大きいとし、グローバルの壁を超えていけるのは「強い技術力」と主張する。プロダクトは、競合他社がで真似をするのに時間がかかり、かつ、どこの国の人でも使ってくれるものでなくてはならない、という理念の下、今注力しているのは技術力の強化であり、藤田氏自らも技術担当役員を兼任しているという。強い技術力を育て「強いサービスをもって海外で成功を収めたい、というロードマップを描いてる」と語る。

 田中氏は、「圧倒的製品力があれば、プロダクトをローカライズしなくてよい」という考えを示し、一方で、もうひとつ重要なファクターは、「類似する商品がどれくらい競争力があるのかを知る」ということ。各国ごとにどのくらいコンペティティブな状況にあるかを把握し、半年後、自社のプロダクトに競争力があればカスタマイズしなくてもグローバルを圧倒できるが、それは予測できない。各国の市場環境によってどのくらいカスタマイズするか、を考えることも重要だと述べた。

 最後に江端氏は、ディスカッションに参加した3人を、しっかりとしたビジネスビジョン、考え方を持った経営者と評価。「自社のコアビジネスをつくり、それを進化させて時代に合った強いサービスを提供している」とし、グローバル化においてもコアを持って世界に進出してほしいと締めくくった。

写真左から、モデレータの江端氏と、日本の代表的SNSを運営する CA 藤田社長、GREE 田中社長、mixi 笠原社長

(構成・文/宮口貴志)