モバイル広告営業部
統括部長 香村竜一郎氏
これに対してグーグルの香村氏は、モバイルの現状について、携帯電話については、日本が世界をリードしてきたが、スマートフォンやモバイル広告は先進国と比べると遅れていると指摘。ただ、モバイルの可能性は拡大しているので、方向性を探り、どうやってユーザーとコミュニケーションを取っていくかが大切になると提言した。
また、モバイル広告の可能性は無限に広がっているので、グーグルでは、日々技術革新を進め、表現方法や関連性を高める技術、検索以外のディスプレー広告で関連性を高められるのか、どういったターゲティング手法が可能か、日々模索していると話した。
時間・空間的な「隙間」に
金脈がある
こうした三者の指摘に田中氏は、「情報洪水の時代に、スマートフォンなどのモバイルは他に対抗していけるのか」と質問。
これを受けてメディーバの野口氏は、スマートフォンなどによって、時間的、空間的な隙間にアプローチできるようになったと指摘。その隙間は「これまで広告としてアプローチできていなかった部分」だと説明し、デジタル広告の可能性はこれまで以上に広がっていると述べた。そして、これまでマーケティングやターゲティングでは捉えられなかった人との関係性など、アプリケーションなどの体験効果によって深い部分に入っていけることになったと展望を語った。
こうしたモバイルの可能性とは別に、パーティの清水氏は、“負”の部分として、生活のなかでメディアとの距離が短くなり、普通に生活していると広告が飛び込んでくる状況で「『この商品を買ってください』というような情報を入れてしまうとユーザーはうるさいとしか感じない」と指摘。広告の打ち方が従来と同じやり方では危険と示唆した。
メリット、デメリットを含め、モバイルマーケティングが実現する新しい技術的側面について、グーグルの香村氏は、ユーザーがどういう気持ちなのか、何に興味を持っているのか人なのか……など、さまざまなデータを収集・分析し、そこからユーザーの傾向を明らかにし、よりユーザーニーズに合ったメッセージを送れるように努めていくことが不可欠だとした。