デジタルとアナログの
融合を目指す
中村 健一郎氏
シャノンでは、企業を取り巻くマーケティング環境に即した最適なサービスも提供し続けている。その1つが、「アナログの力」がマーケティングに果たす役割の見直しだ。近年は企業のマーケティング支援だけでなく、NPOのマーケティング支援にも力を入れている。その一環として「シャノンソーシャルサポートプログラム」の提供を開始した。医療・貧困問題、教育、環境問題など国内の様々な社会問題に対して取り組んでいるNPOの活動を支援すべく、特別なライセンスでサービスを提供する。市民活動を支援する「NPOサポートセンター」、機会の平等を通じた貧困削減を目指す「Living in Peace」が活動報告や募金活動などに、このプログラムを役立てているという。
「いま欧米ではマーケティングにおけるアナログの力が見直されています。顧客とのコミュニケーションを実践する上で、デジタル一辺倒ではなくデジタルとアナログの組み合わせで、より強力なマーケティング施策を実現します」と中村氏は主張する。
例えば、同じセリフでコミュニケーションする場合、面と向かって聞いた方がメールでやりとりするより成功率が34倍上がるという。イベント体験は購買に対して好影響を与えると答えている顧客も74%に上る。
「顧客はデジタルとアナログをまたがって行動しています。その両方にアプローチすることで購買やブランドイメージの向上が期待できます」(中村氏)
「デジタルによる獲得顧客をアナログでリテンションする」「アナログで獲得した顧客をデジタルでナーチャリングする」といった具体的な手法もすでに用意しているという。担当営業名の補完や法人格のゆれ整備など「人がやるべきではない課題」をテクノロジーで解決するデータクレンジング機能、Webサイト来訪の翌日に見込み顧客へ即座にメール配信するなど、「人では難しい」課題をテクノロジーで解決するシナリオ機能などを提供している。
AIへの投資も継続して行っており、将来的にはAIによるマーケティングの実現を目指している。「顧客ニーズや市場動向、蓄積した多くの施策結果データなどをAIで分析することで、より戦略的なマーケティング活動を支援していきたい」と中村氏は今後の展望を述べた。