スキルマトリクスで担当者のスキルを一覧化
スキルマトリクスとは各業務に対する担当者のスキルの一覧表だ(図参照)。ここでは、業務の難しさが、A(スキルによって差が出る)からC(マニュアルを見ればできる)までの3段階で表現される。担当者別の業務スキルも、無し(実務経験が無い)、3レベル(経験がある)、5レベル(人を育成したことがある)の3段階で定義される。
これにより、「退職書類発送作業はランクCで、年間23時間発生し、3人のメンバーが3レベルで処理できる」といったことが一発でわかる。
多くの会社では、「この仕事はあの人しかできない」というような、特定の人に依存した業務が存在する。その人にもしトラブルがあれば、業務はストップしてしまう。スキルマトリクスがあれば、そのようなブラックボックス業務を見極め、手薄な業務に関して、誰に教育を受けさせればいいのかが判断できるのだ。
業務分担や人材育成計画にも活用
業務分担の把握や分析もHIT法の得意とするところだ。「情報がつながる業務は分担せずに1人で担当するのが効率的」というのがHIT法の考え方だ。1人で担当できる業務を複数人で分担すると、伝言ゲームによるミスや時間のロスが発生するからだ。
たとえば人事部門の作業のうち、社会保険関係は専門知識が必要で、入社・退職処理の受付は比較的簡易な作業だ。通常、社会保険はベテランに、受付に関する処理は若手社員に割り振られている。