おもてなしに関しては、顧客接点ごとに、コールセンターの“電話応対”、空港旅客部門の“カスタマーサービススキル”、客室部門の“OMOTENASHIの達人”のコンテストがそれぞれ行われ、外国人旅客に対する柔軟な対応力の獲得に励んでいるという。

「英語は社内公用語にこそなっていませんが、もはや全ての職種で英語なしでは業務が成り立たない状況です。客室乗務員は英語で緊急時の会話ができないと資格すらもらえません。当社は20年に向け“HELLO BLUE, HELLO FUTURE”というスローガンを掲げ、世界トップクラスのユニバーサルなサービスの実現を目指しており、会社としてかなり追い込みながら、語学力の向上を図っています」(佐々木副学長)

 先のANAの事例にもあるように、TOEIC® Programは多くの企業・団体で、新入社員の英語能力測定や、昇進・昇格の要件として活用されている。では、「TOEIC® Program」は、なぜグローバル化を図る企業から信頼されているのだろうか。

TOEIC® Programが信頼される五つの理由

 その理由は五つほどある。

 まず、TOEIC® Programは米国の世界最大の非営利テスト開発機関ETS(Educational Testing Service)が開発と制作を行っており、高品質を維持していること。また特定の国の歴史や文化に左右されず、国際語としての英語がテストされること。さらに、実践的なコミュニケーション能力を測定するテストであり、ぶれのないスコアで評価していること。そしてグロバールスタンダードであることだ。

 現在 「TOEIC® Program」は160カ国、年間約700万人が受験、アジアや欧米など約1万4000の企業や団体が活用している。

 Japan Qualityのホスピタリティを生み出すための有効な指標として、「TOEIC® Program」は重要なツールといえるだろう。

自分の英語能力や目的・目標に合わせて選べる「TOEIC® Program」
TOEIC® Program」には大きく分けて三つのテストがあり、それぞれのレベルやニーズに合わせたプログラムを展開している。「TOEIC® Listening & Reading Test」は日常生活やグローバルビジネスに生きる"英語で聞く・読む能力"を測定するもの。評価基準が一定に保たれているため、継続的な受験で英語能力の伸びを確認することができる。「TOEIC® Speaking & Writing Tests」は"英語で話す・書く能力"を測定するもので、発信する能力の測定に重点が置かれている。「TOEIC Bridge® Test」は英語初・中級者を対象としたもので、受験のハードルが高くないテストだ。

 団体特別受験制度(IPテスト)では、「TOEIC® Speaking Test」と「TOEIC® Writing Test」、それぞれ単独での受験も可能になっており、個別のニーズに細かく対応できる。
ホスピタリティの現場で今、求められる英語力とは
 ETSからの発表 
世界で使われているTOEIC® Program
ーAIR FRANCEの事例ー

 世界のホスピタリティ業界の中で、「TOEIC® Program」は多く活用されている。その代表的な例が、AIR FRANCEだ。1933年に創立され、五つの航空会社が合併してつくられた同社は、3万5000人のグランドスタッフ、1万3000人の客室乗務員、4400人のパイロットを擁する巨大企業である。

 同社は、国際的なスケールで事業を展開しているだけに、効果的なコミュニケーションは、安全やサービスのために必要不可欠。これまで新卒採用のとき、社内で開発された英語テストで評価を行っていたが、より正確性と効率性を求めた結果、近年「TOEIC® L&R」を導入することを決定した。選定のプロセスでは、カスタマーサービスエージェントの最低点数は680点、メンテナンスマネージャーは800点、パイロットは最低でも850点のスコアを必要としている。「TOEIC® Program」は、その信頼性故に、国際的な航空会社で働く人々を評価する基準となっている。
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