急成長によって将来の管理職不足も課題に

 さらに、本社のマネジメントにも課題が出てきたという。

「M&Aによって急成長してきた過程では、各社で活躍してきた管理職を取り込むことによって、彼らの経験値に頼ることができました。しかし、これからの世の中の変化に対応する管理職の在り方を考えたとき、その資質やスキルを持つ人材が手薄になってくることが見えてきました。そこで、新たな社員教育環境が必須という考えに至りました」(眞鍋氏)

 業容が急拡大してきたこれまでは、M&Aや上場、新規開拓など、社員はさまざまな経験を積むことによって成長することができた。今の役職者はそうした環境の中で鍛えられてきた人たちなのだ。しかし、「人間は環境によって変わる生き物。安定した環境の中では刺激がなく、人は成長しにくい」(眞鍋氏)。だからこそ、機動的な教育環境の必要性が高まっているという。

選んだのは社員が能動的に学べる教育システム

 解決策として同社は、コーナーストーンオンデマンドのクラウド型教育システムと人事管理システムを導入し、社員教育と人事データベースの構築をスタートさせた。

「社員が能動的に学べること、多言語などグローバル展開に対応できること、そして社員一人ひとりがどのくらいの能力やスキル、経験(担当した業務内容など)を持っているかを正確に把握できることが、コーナーストーンを選んだ主な理由です」(眞鍋氏)

 現在は社内の人材情報ポータル兼オンライン学習サイトを目指してコンテンツの登録を急いでいる。

 クラウドベースのため、短期構築、コスト圧縮、素早い成果が期待できるのがメリットだ。また、マニュアルや講義形式でないことから、拡張・変化にも柔軟に対応でき、進捗管理も容易。海外の社員も共通基準で能力を評価できる。

「例えば、海外のグループ企業に優秀な人材がいたとしても、これまでは実際に現地に行ってその人の仕事ぶりを見ないと実感できませんでした。ですが、コーナーストーンの教育・人事管理システムがあれば、『あるテストで優秀な成績を収めた人材が現地にいる』といったことが本部でわかります。良い人材をどんどん抜擢できるようにしたいですね」(眞鍋氏)

 眞鍋氏が人材教育においてとくに重要視するのは、社員自らが「能動的に学ぼう」とする姿勢。「キャリアアップは、自分に今何が必要かを考えて自主的に勉強していくのが基本。キャリアコンサルタントにアドバイスを受けたとしても、自分の意思がないとうまくいかない。積極的に学ぼうとする人が学びたいことを学べる環境を整えていきたいと考えています」。

 そのため、特定の業務や海外勤務に必要な能力やスキルを「見える化」し、目指すキャリアアップに対し、自分に何が足りないかがわかるようなコンテンツも導入する予定。仮に今携わっているメーカーの仕事がなくなったとしても、能動的に学習を続けていれば、他メーカーや海外メーカーでそのスキルを活用するチャンスが生まれるというわけだ。

 社員は自分の能力やスキルをアピールし、理解してもらう。企業サイドでは社員の適性を見て最適なキャリアパスを提案する。コーナーストーンのシステムがあれば、こうしたマネジメントが可能になる。