届けたい情報が届く
「真心のこもった」マーケティングを提供する


 このように生活者の考え方が多様化している中で、従来のような絨毯爆撃的なマーケティング戦略が成果をあげるのは難しい。誰にでも届くことを狙うと、誰にも届かなかったりする。前述の通り、生活者には考え方のクセは複数あるため、一つの汎用的なメッセージでは届かないのだ。

 逆にいえば、6つの「考え方のクセ」のタイプに対して、適した伝え方をすることで、格段にメッセージは伝わりやすくなり、モノが選択される可能性は高まっていくはずだ。

「ひと研究所」が研究・開発した「考え方のクセ」は、生活者をタイプ別に分けることに留まらず、具体的なマーケティング戦略に活用できるよう、シンプルかつロジカルなアプローチを試みている。

 まず「ACR/ex」のデータを使うことによって、現時点におけるブランドや商品の強みや弱点が把握できる。

 次にどのタイプに受け入れられているかがわかれば、そのセグメントに刺さるメッセージを限られた範囲で発することが可能になる。具体的には、どんな媒体で、どんな時に、どんなメッセージを発信すれば良いのかがデータにより明確にわかる。

「考え方のクセ」に基づいたメディア×キーワードを組み合わせれば、シンプルかつロジカルにプランに落とし込めるのだ。

 亀田所長はこう続ける。

「届けたい情報が届き、欲しい情報が手に入るのは、企業にとってもメディアにとっても、生活者一人ひとりにとっても、それは心地良い瞬間です。それは真心のこもったマーケティングと言えるもので、コミュニケーション活動や経済活動をより豊かにし、新たな価値を生み出すきっかけになると考えています」 

*第2回に続く(2018年4月公開)