日本でもこうした個人のデータ(パーソナルデータ)を基にした与信サービスのニーズは少なくないだろう。デジタル社会の進展とともに、シェアリングエコノミーサービスなどの新たな市場が広がっているからだ。

CtoC取引で重要になる
信用情報の仕組み

 企業が商品・サービスの取引について消費者に信頼性を担保する一般のビジネス(BtoC)と異なり、民泊などのシェアリングエコノミーサービスでは、個人と個人(CtoC)の信頼関係が重要になる。そこで、お互いの信頼性を確保するため、SNSでの評判などをシェアリングエコノミーサービスの利用条件にすることもある。ちなみに、民泊のAirbnbの会員登録にも芝麻信用が使われており、中国では個人の信用情報サービスの基盤として存在感を増しているようだ。

個人データを制する者が市場を制す「データ資本主義」時代の生き残り戦略とは(写真はイメージです)

 民泊やタクシー配車サービスなどのほか、不要になった衣服やチケットなどをネット上で売買するネットオークションもシェアリングエコノミーである。現在はネットオークションを主宰する企業を通じて売買するケースが一般的で、万一のトラブル時にも企業が対応することで信頼性を担保している。だが、個人と個人が直接取引するCtoCの場合、芝麻信用のような与信サービスがない今の日本では、取引相手のネット上の評判などを参考に売買を判断することなる。

 例えば中古車をネット上で売りたい場合、CtoCで売買が成立すれば、中古自動車販売会社に支払う仲介手数料が不要になるなど、売る側は高く売ることができ、買う側は安く買えるメリットがある。