管理業務を超効率化・省力化できる理由

 この効率化・省力化を可能にしているのが自社で開発し、販売しているクラウド型ソフトウェアだ。同社は「クラウド会計ソフトfreee」と「人事労務freee」という2つのソリューションを通じ、自社同様に、中小企業のバックオフィス部門の業務効率を推進しようとしている。

 同社が提供するサービスの特徴の1つは、クラウド完結型となっていること。そして、業務に用いるツールと手作業を行う領域を極力減らしたERPパッケージであることがもう1つの特徴である。

 たとえば、メンバーサクセスチームのソリューションとなっている「人事労務freee」は、社内のヒトに関わる情報を一元化し、情報更新の手間もかからない域まで徹底的に作業負担の軽減が図られている。入退社の手続きや従業員名簿、勤怠データなどがオールインワンで管理され、ありとあらゆる人事労務関連業務を一気通貫でこなせるHRプラットフォームとなっているのだ。

 個々の従業員の給与や税金(源泉徴収)は毎月自動的に計算され、年末調整や労働保険の更新などといった年1回の作業についても自動化されている。また、いずれの事業所においても必須となる法定三帳簿の作成のような労務管理にまで対応している。「人事労務freee」を上手く活用すれば、一連の業務を飛躍的に効率化でき、なおかつ処理上のミスも発生しにくくなるわけだ。

「超効率的バックオフィス部門」の作り方

 このソリューション活用により、通常、100~500名規模の企業では人事労務担当者は1カ月、平均3.1人必要であるのに対し、従業員数400名のfreeeでは、わずか1人で足りている計算になるのだという。

 バックオフィスの管理業務を可能な限り効率化し、生産性を上げることで、総務や人事といった間接部門も、新しい働き方や制度を創造するという使命に全力を注ぐことができる。新たな価値を生み出せる部門になれば「見たか!直接部門!」といわんばかりに社内での立ち位置にも変化が出てくるに違いない。今、言われている「働き方改革」はそれくらいの創造力を持つ部門が主導しなければ、実現できないのではないだろうか。

 

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