システムとコンサルの合わせ技で
現場を支援
AIはビッグデータがあってこそ、より確からしい答えを導き出すことができる。しかし、営業の現場は多種多様であり、対象となる営業マンの過去の活動履歴や商談内容だけではビッグデータにはなり得ない。だから一般的に営業支援にAIを活用するのは難しいといわれる。
そこで同社は、30年のコンサルティングのノウハウをベースとしたエキスパートシステムと機械学習を組み合わせて、データ量の少なさを補完している。
「もともと当社は、日報を経営に活用するコンサルティングを得意としてきました。日報で一日を振り返り、そこから明日どう動くかを導き出すためのノウハウを提供していたのです」と長尾氏。この地道な活動が現場を支援するという同社のスタンスの原点になっている。
やがてITが普及すると、日報もITで運用されるようになった。そこで同社は、専用の営業支援システムを開発する。一般的にはSFAに分類されるシステムだが、管理するのではなく支援することを強調するために、あえて「Sales Force Assistant」とネーミングした。
それ以来、20年にわたってSFAを提供してきたが、システムを単体で提供するのではなく、コンサルティングと組み合わせて現場を支援してきた。「システムにはコンサルティングのノウハウを組み込みましたが、それだけでは解決できない部分も多い。そこはコンサルタントが入ってアドバイスする仕組みでやってきました」と長尾氏。
それを象徴するのが07年から提供している「リモート・コンサルティング・センサー」だ。システムの運用状況に問題が起きると自動で通報メールが送信され、それを受けてコンサルタントが訪問してアドバイスする。こうした活動を通して蓄積した営業支援のノウハウが「AI秘書」に生かされている。