次に、3月に決まった財政支出の拡大について見てみます。金額は、今年と来年を合わせて約3000億ドルで、米国の名目GDPの約1.6%程度になります。弊社では、今年のGDPを0.2%押し上げ、来年のGDPを0.4%押し上げると計算しています。支出拡大の金額がGDPに占める割合よりも実際のGDPを押し上げる効果が低いのは、減税の効果と同じような考え方によります。
以上の影響や効果を考慮すると、三井住友アセットマネジメント調査部の経済予測は、昨年の2.3%成長に対し、今年は2.7%、来年は2.4%と、かなり堅調な経済成長となる見込みとなっています。
三井住友アセットマネジメント調査部の日本経済の成長見込みが今年が1.3%、来年が1.2%ですし、ユーロ圏の成長見通しがいずれも2.0%なのに対して、高成長を遂げる見通しとなっています。
ただし、この見通しには昨今話題となっている保護貿易の影響は入っていません。現在、米トランプ大統領が最大のターゲットとしているのは中国です。中国は世界で第2位の国ですし、貿易量も大きいので、米中間で関税の引き上げ合戦のような状況になれば、輸出入が減少し米国経済への影響はかなり大きなものになる可能性があります。
では、次に、この影響について検討しましょう。
米中貿易摩擦による影響を
両国の関税案から3つのシナリオで分析
米中貿易摩擦問題を大きくしているのは、米国側の意図が対中貿易赤字の削減にとどまらず、中国のハイテク技術などの面でのさらなる台頭を抑えたいとの意図があることです。さらに、トランプ大統領が駆け引き上、どのような発言を行うか予測が難しいことに加え、中国側の出方も読みにくいといった事情があり、先々の景気や金融市場にとって最大の不透明要因となっています。
こういった状況では、一定の仮定を置いてその条件下での影響を分析するいわゆるシナリオ分析が有効です。三井住友アセットマネジメント調査部では、米中双方から出されている関税案をもとにしたシナリオ分析を行っていますので、それを紹介します。



