皆さんこんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。
来週1月22日~23日には日銀の金融政策決定会合が、24日には欧州中央銀行(ECB)の金融政策委員会が、そして翌週の29日~30日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、今月下旬には日米欧主要3中銀の金融政策のアップデートが集中しています。主要中銀の金融政策は、各国の株式や為替市場の変動をもたらすことがあるほか、景気の方向性にも大きな影響を及ぼすため、注目したいイベントです。
そこで今回は日米欧主要3中銀の現在の金融政策を確認するとともに、今後の金融政策の方向性についてみていきたいと思います。
日銀の「金融緩和路線」は、
金融政策決定会合も継続するか
まず、1月22日~23日には日銀の金融政策決定会合が予定されています。日銀は、2013年3月に黒田総裁が就任して以降、安倍政権が掲げる大胆な金融緩和を推し進めています。具体的には、2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入した後、2014年10月には「量的・質的金融緩和」を拡大し、2015年12月には「量的・質的金融緩和」を補完するための諸措置を導入しました。
その後、2016年1月には「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入、2016年7月には「金融緩和の強化」を行いました。そして2016年9月の金融政策決定会合では「量的・質的金融緩和」導入以降の経済・物価動向と政策効果についての総括的な検証を行い、その結果を踏まえて、金融緩和強化のための新しい枠組みとして現在の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。
「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、次の2つが柱となっています。1つは金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」です。この下で、短期金利は日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用しています。