株式市場の下落は
世界的な不安感のあらわれ
皆さん、こんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。
世界の株式市場は、米国株式がピークを付けた昨年10月以降、軟調に推移しています。特に、12月以降は日々の変動が極端に大きくなっています。そこで今回は、それらの動きの背景と、今年の株式相場の行方について考えてみたいと思います。
米国主導での株価下落
「景気減速」以外の影響も
2018年12月は米国株式が大きく下がり、グローバルに伝播する展開となりました。12月31日の終値でS&P500種指数は2506.85ポイントと、11月末と比較して9.2%、前年末比で6.2%の下落となりました。
こうした株価下落の背景には、景気減速への警戒感があります。米国の製造業の景況感を示す代表的指標であるISM製造業景況指数は2018年12月に大きく下がり、今後米国景気は徐々にペースダウンに向かう公算が大きいと思われます。こうした景況感の変化が最近の株価下落の一因になったと見られます。
しかし、この景況感の変化とS&P500種指数の前年比の動きを比較すると、景況感の変化の割に株価の下落は大幅となっています。景気以外の要因も影響しているとの指摘が多いのもこのためです。過去の例では、2001年9月の同時多発テロを受けて、地政学リスクが高まった2001~2002年に、景況感の悪化度合いに比べて株価の下落幅が大きい状態がしばらく続いたことがありました。