「米国第一」や「取引外交」など、トランプ大統領の独自性の強い政策が世界経済・市場を大きく揺さぶる展開が定着している。今年に入ってからも、「安全保障」や知的財産権侵害を理由にした高率関税実施などによる米中貿易戦争への懸念や、英仏と共同で行ったシリア攻撃、米朝首脳会談合意などに衝撃が走った。
市場では、秋の中間選挙を念頭に大統領選で掲げた公約実行や2年間の実績を訴える思惑からとの見方が多い。だがそれだけなのか。「中国牽制」や貿易赤字削減に本格的に取り組もうとする長期戦略が隠されているように見える。
日米首脳会談
通商問題では溝、深まる
先週、行われた日米首脳会談は、米朝首脳会談を前にもっぱらトランプ大統領と安倍首相の蜜月ぶりを演出する狙いがあったが、冷静に見れば、日米間の通商問題の溝はむしろ深まった印象だ。