大げさでなしに、IT機器の普及に伴って人類はかつて経験したことのない身体環境の変化に直面している。なかでも負担が増しているのが「目」で、夕方ともなれば、鼻骨の上あたりを指で挟んだり、目をこすったり、と目の疲れを表すビジネスパーソンも少なくない。

”疲れ目”について、ビジネスパーソン500人に大調査

 医家向け目薬で大手の参天製薬が、2017年12月に行った『「疲れ目」に関する意識・実態調査』からは、目を酷使している現代人の実態が浮かび上がってくる。調査対象は20代から40代の男女500人。

 「目の疲れを感じることがあるか」という問いでは、「たまにある」が55.4%、「よくある」が44.6%で、疲れ目を感じない人はほぼいないようだ。さらに、目の疲れを感じるときの症状を尋ねると(複数回答)、「目がショボショボする」(71.6%)、「目の奥が重いと感じる」(46.6%)、「目がゴロゴロする」(24.6%)といった回答が上位を占めた。

 そして疲れ目が、仕事の効率を落としたり、注意力が散漫になったり、となんらかの「日常生活への影響」があるか、と聞くと、その回答は、「よくある」と「たまにある」の合計が72.6%にも達していた。

「疲れ目」に効くのは、赤い成分。改善策を眼科医が解説石岡みさきさん
みさき眼科クリニック院長。著書に『ジェネラリストのための眼科診療ハンドブック』(医学書院)、『点眼薬の選び方』(日本医事新報社)など

 加えて、自身が考える「疲れ目の原因」を尋ねたところ(複数回答)、上位3位には順に「パソコンの長時間利用」「スマートフォンの長時間利用」「エアコンや空気の乾燥などによるダメージ」といった回答が挙がってきた。

 この調査結果を見てもわかるように、パソコンやスマホの長時間利用が「疲れ目」の増加を促しているようだ。

「かつて眼科は『レッドアイ・クリニック』といわれ、結膜炎の治療などが中心でした。しかし現在は、『ホワイトアイ・クリニック』などと呼ばれるように、疲れ目やドライアイなどの治療が中心になってきています」と、みさき眼科クリニックの石岡みさき院長は話す。