CRM(顧客関係管理)で世界をリードし、各種業務支援クラウドサービスを提供するセールスフォース・ドットコムが、小規模企業に特化した新サービスを発表した。「ITの民主化」を目指す同社の思いと、続々と寄せられる成功事例に迫る。

セールスフォース・ ドットコム
千葉弘崇
専務執行役員 コマーシャル営業

 営業、カスタマーサービス、マーケティングの生産性向上や顧客満足向上などの効果が高く、世界15万社の企業が導入している業務ソフトウェアのSalesforce。その大きな特徴は、エンタープライズ(大企業)から社員数名の小規模企業まで、あらゆるサイズの企業に対応していることだ。

 クラウドベースで提供される同社のサービスは、もともと1ライセンスからでも利用可能。多額の費用や人材を投入しなくても、最先端の技術を駆使したソリューションが活用できる。

 セールスフォース・ドットコムの千葉弘崇専務執行役員は「資金力のある大企業だけがテクノロジーを専有するのではなく、あらゆる規模の企業がそれを活用し、成長のチャンスを手に入れられる世の中にしたい。当社はこれを『ITの民主化』と呼び、1999年の創業以来追求し続けています」と語る。

小規模企業の課題を
クラウドが解決

 とくに日本は、小規模企業の数が多い。中小企業庁の2018年版『中小企業白書』『小規模企業白書』によると、国内382万社のうち88%は小規模企業だ(2014年7月時点)。

「国内で新たに創業するスタートアップ企業も年間約20万社に上っています。スタートアップを含む社員が数名の小規模企業は、1人の社員がいくつもの業務をこなさなければならないので労働生産性が上がらない場合が多い。独自のIT部門を設けることができない場合も多く業務のシステム化や可視化ができず、営業活動が属人化するといった課題を抱え込みがちです。わたしたちセールスフォース・ドットコムは、そうした企業に最適なソリューションを提供することで、日本の小規模企業の皆様が本業に集中し、成長していただくことを応援したいと考えています」(千葉専務)