以上の通り、トランプ税制改革により、企業の内部留保が厚み増す方向にあること(法人所得税の減少や受取配当の増加)、米国企業の財務はやや負債が多いものの、利払いの余裕度は大きく、特に大きな問題にはなっていないことが分かりました。企業金融の面から見る限り、景気が直ちに変調をきたすことはなさそうです。
企業業績も好調、
景気の転換は当分先になりそう
一方、企業収益も好調です。S&P500種指数に採用されている企業の2018年の予想利益は、前前年比22.5%程度の増加が見込まれています。セクター別では、エネルギー(同99%増)、金融(同31%増)、素材(同28.4%増)、テクノロジー(同22.%増)等の好調が目立ちます。続く19年の経常利益も、同9.8%増となっています(利益は1株当たり利益ベースで、トムソン・ロイターズI/B/E/Sによる2018年7月11日現在の予想)。
米国を中心とする世界的な景気の拡大は、わが国の企業業績にも好影響を及ぼしています。参考までに三井住友アセットマネジメント集計による2017年度の企業業績は前年度比9%の増収、経常利益は同17.8増と、大幅な増収増益となりました。続く2018年度の経常利益は、前年度比10%程度の増加が予想されます。対象30セクターのうち25セクターが経常増益となる見通しです。なかでも通信、商社、精密機械、資源・燃料、産業用機械等の利益寄与が大きいと見られます。続く19年度も同10%程度の経常増益が予想されます(対象は三井住友アセットマネジメントの調査対象である金融を除く227社)。
これらを踏まえると、米国の景気拡大局面は戦後の最長記録である10年を超える可能性は十分にあると考えられ、日本の景気、企業業績にも好影響を及ぼすと予想されます。
(三井住友アセットマネジメント 調査部 礒合 隆)



