第2標準システムとして大企業も採用

日本語、英語、タイ語、ベトナム語、韓国語の表示に対応
伝票や明細、各勘定科目などを現地の言語と日本語で見ることができるため、日本でもリアルタイムで管理することが可能。
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 タイに進出しているある中堅の製造業でも「multibook」が、タイムリーな経営数字の見える化や決算の早期化、内部統制に効果を発揮しているという。その結果、これまでは本社の経理担当者が駐在して会計業務に当たっていたが、現地スタッフに任せられるようになり、担当者は日本に戻ったそうだ。

「中小企業の場合、日本から生産管理や営業の専門家は行きますが、経理担当者まで駐在させるところは少ない。日本語が分かるスタッフが他にいないため、その人たちが本社への報告業務に追われてしまいがちです。でも、『multibook』を使えば、本来の業務に集中できるようになります」(村山CEO)

 ニーズが増えているのは中小企業だけではない。現在、導入企業の約半数は大企業の海外子会社なのだ。フィリピンに進出している消費財メーカーもその1社。グループで大規模拠点用ERPを導入済みだが、これには巨額な導入費用とIT要員が必要。小さな拠点には向かないため、低価格の「multibook」をグループの第2標準システムとして採用した。

 タイで飲食店を複数店舗展開している企業も導入後、見える化が進んだことで業務の効率化や売り上げの分析向上につながっている。

「経理を会計事務所に委託していたため、月に1度、現地法人の会社単位の数字しか報告がなかったそうです。導入後は各店舗の売上高や損益がリアルタイムで把握できるようになり、本社から的確なサポートが可能になりました」(加部取締役)。