文系の学生も短期間で一人前の“現場監督”に
同社の研修システムには大きな特徴がある。専門用語を使わない“例え話”を駆使したオリジナルのテキストで、入社後1カ月は徹底的に電気の基礎を座学で学ぶ。4月に入社し6月には電気工事の入門資格である第2種電気工事士の取得を目指す。
その後、研修室で電気工事の作業の練習を行い、実際の現場に入って配線の仕事を経験する。
再度、座学で図面の深い読み方、描き方など専門的な知識を身に付けた後、翌年1月から先輩の現場で“現場監督”の仕事を学んでいく。こうして1年後には、意思決定ができる現場代理人が育つ。
社内には、配線などの練習を行える研修室も用意されている
座学で学ぶ電気理論研修では、社長みずから作ったオリジナル教本を使用
新卒第1期生は、コミュニケーション能力の高い文系出身者や女子学生を採用。
「予想以上に仕事をよく覚えてくれ、女性が現場でどう受け入れられるか?という心配も杞憂に終わりました。女性は戦略的に柔らかな対応をするなど、職人たちへの対応が男性よりも上手で、逆に現場が明るくなり活気づく効果もありました」。
牧野社長はこうメリットを指摘する。
文系出身者や女性を育てる指導力も評価され、会社のブランド力も向上。その評価は、次の仕事への受注にもつながった。また昨年から、仕事への意欲の高いシングルマザーを積極的に雇用するなど、新たな女性活躍の場を創っている。
文系出身者や女性も技術を身に付けて活躍