AI(人工知能)技術を活用したマーケティング支援サービスを展開するのがシルバーエッグ・テクノロジーだ。あらゆるタッチポイントから1to1マーケティングを実現するレコメンドを提供。ユーザーのニーズに応じて最適なものを最適なタイミングで提示する同社の技術は、EC事業に限らず、幅広い業界のマーケティングに応用されている。商品からベストなユーザーを見つけに行く新サービスも必見だ。

一人一人のニーズを
捉えて予測推薦

トーマス・フォーリー シルバーエッグ・テクノロジー 代表取締役社長&CEO

 ユーザーの行動履歴(購買と閲覧)を独自AIでリアルタイム解析し、一人一人のニーズを的確に捉えて予測推薦する──これがシルバーエッグ・テクノロジーのメインサービス「アイジェント・レコメンダー」だ。数十分の1秒という解析からレコメンドまでの速さが圧倒的な優位性をもたらしている。トーマス・フォーリーCEOは自社の特徴を次のように話す。

「私たちが創業以来追求しているのは、パーソナライゼーションです。例えば、中古車販売サイトで『A社の赤のSUV、300万円』という同じ車を見ていたとしても、一人一人のニーズは違います。A社というメーカーで探している人もいれば、SUVを探している人もいる。あるいは赤の色にこだわっていたり、300万円前後の車を探していたりするのかもしれません。ユーザー導線分析によって、そうした一人一人の細かなニーズに最もフィットする商品を提示できるのが当社の最大の強みです」

 しかも、直前までの最新情報を基に商品を提示できるため、入荷した車を即座に推薦できる一方、推薦された車が実はすでに売り切れ、というような顧客体験を損なう事態も減らせる。一般的な時間のかかるバッチ処理で前日に学習させたレコメンドではこうはいかない。

 同様にリアルタイム性を追求して開発されたのが、オプションサービス「レコガゾウ」だ。メールが開封されると、AIが瞬時に開封直前までの行動履歴を分析し、最新のレコメンドを画像付きでメール本文内に表示する。事前に決め打ちでお薦め商品を紹介をするメールに比べて、読む側の受けもよく、メール宣伝のコストパフォーマンスを大幅に改善できる。マーケティングの効率化を図るMAツールとも相性抜群だ。