ユーザーを探しに行く
画期的な新サービス
今秋に商用提供が開始される新たなサービス「プロスペクター」も画期的だ。
「レコメンドはその人のニーズに最もマッチする商品を提示するサービスですが、逆にプロスペクターは商品に最もマッチする人を探し出すサービスです。キャンペーンのダイレクトメールは、ユーザーにとって欲しい情報でなければ余計なもの。企業の信頼を失うことにもなりかねない。ユーザーが本当に欲しい情報だけを届けられるプロスペクターなら、大きな信頼を得られます」(齋藤修CSO)
このサービスが効果を発揮する業種は幅広い。例えば、多様な商材を取りそろえ、顧客層も幅広いモール型ECサイト。特定の商品を宣伝する場合、年齢・性別といったユーザー属性に基づく粗いターゲティングでは、本来の潜在顧客を取りこぼしてしまう可能性が高い。プロスペクターはユーザー一人一人の行動情報から嗜好を分析し、より高い精度で潜在顧客だけに商品情報を届けることができる。他にも、不動産市場ではキャンペーンの終了間際に追い込みをかけるといった利用も考えられる。映画館での活用がイメージしやすいだろう。新作映画は封切り後、3週間くらい経つと空席が増え始める。そのときプロスペクターでこの映画を好み、見る確率が高い人を会員情報を基に探し出せば、効率的に集客できるわけだ。
さらに、銀行や証券会社などでも有効活用できるという。
「『新興国小型株ファンドの取り扱いを開始しました』というようにサイトで案内していますが、気付く人は非常に少ないでしょう。プロスペクターなら、このファンドを購入する確率が高い人だけに、直接商品の通知が可能です。ネットサービスだけでなく、実店舗の窓口業務や営業でもデータを使うことができます」(齋藤CSO)
このように独自の最先端テクノロジーを駆使して、さまざまな業界のマーケティングを支援しているシルバーエッグ・テクノロジー。「かつては店員が対話を通して一人一人の顧客を知り、良い商品を届けることで、互いに信頼を築いてきた。デジタルビジネスの世界で、この関係性は失われてしまった。われわれはAIの力で、サービス提供者と顧客との間に信頼関係を取り戻してゆきたい。また、スマートフォンが広く普及した今はどこにいてもオンライン。あらゆるところでリアルタイム・パーソナライゼーションを実現し、人々が快適に過ごせる環境づくりを進めていきたい」(フォーリーCEO)という同社のミッションを今後も推し進めていく。