「電設」の枠を超えた事業の
拡大により社名変更を決断

 ここまでは「電設」の枠に収まる事業範囲の拡大だったが、転機は2012年に訪れた。太陽光発電などで生み出された再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が始まったことを受けて、瀬古社長は将来有望な太陽光発電事業への参入を決めた。太陽光発電事業が順調に発展し基幹事業に育ってくると、発電所建設のための用地買収や資金調達案件が増えてくる。「内製化」を基本方針とする瀬古社長は、不動産業やアセットマネジメント業への進出を決断した。さらに用地買収時に地権者から「農地の活用について多くの相談が寄せられた」(瀬古社長)ことから、地域社会貢献の一環として農業法人を設立した。

「電気工事業だけでは企業の成長スピードに限界があるため、総合的・立体的な事業展開を志向しています。このことは原価圧縮や社員のスキルアップにもつながり、電気設備工事にも相乗効果をもたらしています」(瀬古社長)
 同社の事業は電気工事を要とし成長を始めた。そのため瀬古社長は自身も思い入れの深い社名の「鈴鹿電設」から「電設」を外すことを決めた。一方で地域貢献を理念としてきた思いを残したグローバル企業へ成長させるために「鈴鹿」を残した。
 今回の社名変更には、瀬古社長の企業の未来を見据えた決断があったのだ。

鈴鹿がナレッジでつくる未来  -Trust & Necessary-
鈴鹿では「信頼」を何よりも優先している。顧客・従業員・取引先の「三方ヨシ!」を 社是としているが、そこにとどまらず「地域」も加え、期待以上の「ヨシ!」を還元することで、鈴鹿に対する信頼がより高まると考えている。