日本のものづくりの「影の主役」、工作機械の性能を極限まで高める超硬小径エンドミル

飛躍する工作機械

金型加工や部品加工に 欠かせない「エンドミル」
工作機械に取り付けて金属などの金型加工や部品加工といった切削加工を行う工具「エンドミル」。日進工具は刃先径が6mm以下の超硬小径エンドミルに特化

 日進工具が、電器・電子部品分野での部品の精密化や小型化の波に注目したのは30年ほど前。結果的には、「大手に対抗して勝てる分野に特化する」という現実的な戦略決定は、時代の波を先取りすることになる。25年前に新設した仙台工場は、当初から小径工具の専門工場とすることを決めるなど、戦略決断にブレはなかった。

「結果的には10年ほど前から、部品の軽薄短小化が自動車部品の分野にも及び始め、日進工具の優位性が発揮される市場が拡大してきました」(後藤社長)

 市場拡大に対応してもう一つぶれなかった軸が、「国内生産 MADE IN JAPAN」の方針を維持したことだ。仙台工場は超硬小径工具の専用工場と位置付ける一方、自社の製品を作る装置を自ら開発してきた。

 「エンドミルを作る工具研削盤の自社開発は、満足できる加工精度を得られるマシーンがなかったから」(後藤社長)が直接のきっかけだったが、それがさまざまなメリットを生み出すことになった。

質感を機械加工で表現 バラの花を切削加工。微細な工具で自然な質感で表現できる
被削材:アルミニウム合金
出所:入曽精密 www.iriso-seimitsu.co.jp

 自社開発機導入により加工精度が上がるとともに、その安定性が飛躍的に向上した。加えて、一本一本を自動計測し数値をフィードバックすることで、機械自らが補正を行い、従来、人手により行っていた抜き取り検査の工程が不要となった。精度の向上とともに生産の効率化が進み、生産数量も増加した。

 また、工具精度の向上により、エンドミルを取り付けて金型などの加工を行う工作機械(マシニングセンタ)でも高い加工精度を追求したモデルが出てきた。一方の精度が高くても、他方の精度が低ければ、高い精度の加工は難しい。ユーザーは、優れた工作機械と日進工具のエンドミルにより相乗的な精度向上を期待できるのである。

問い合わせ先

日進工具株式会社
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東京都品川区南大井1-13-5
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