旬のブラウンはイタリアの
“アズーロ・エ・マローネ”に学ぶ
今季、注目を集めるブラウンカラーは、温もりあるナチュラルな色合いに、優しさや余裕、寛容さを感じさせる。だが一方で、黒髪の日本人には着こなしが難しく、野暮ったさにつながる難しさもある。そこでお薦めするのが、ブラウンをそのまま用いるのではなく、アクセントやニュアンスカラーとして取り入れる方法だ。写真のスーツは、ブラウンがかったネイビーにブルーストライプを入れ、ソフトなテイストを生かしつつ、都会的な洗練が薫る。さらにシャツは、ブラウンとブルーのストライプのクレリックでスーツとの統一感を出しつつ、ソリッドなネイビーネクタイで全体を引き締める。上級編コーディネートだが、イタリアではブラウンとネイビーは“アズーロ・エ・マローネ”と呼ばれ、カラーコーディネートの基本にもなっている。合わせてみると意外に落ち着くものだ。
スピリット オブ リバティ
SS、ケース径42㎜、5気圧防水、自動巻き。12万4200円(税込み)
SS、ケース径42㎜、5気圧防水、自動巻き。12万4200円(税込み)
そんな“アズーロ・エ・マローネ”を実践しているのが、ハミルトンの「スピリット オブ リバティ」だ。1940年代のマリンクロノメーターから着想を得た、シンプルな3針カレンダーの文字盤を鮮やかなブルーが彩り、ブラウンのカーフストラップが絶妙に調和する。さらにストラップには、ブランドの名前の由来になった米国の法律家アンドリュー・ハミルトンの“自由なき人生なんて、惨めなものだ”という文言が刻まれる。まさにファッションなき人生なんて、惨めなものということだ。