実際、今回発表された決算短信で純利益が9割減になった重要な要因は、特別損失として約40億円の減損を計上したことだ。決算短信の中ではその内訳を読みとることはできないが、買収したこれらの子会社の価値が純利益を大きく引き下げたということであろう。
ヤマダ電機の一連の構造改革で一定の評価をできるのが、家電の売り切りビジネスからの転換に向けた在庫の圧縮である。こちらは昨年の9月末と比較して、1年間で224億円も在庫を減らしている。
こちらは想像でしかないのだが、ヤマダ電機が今夏のエアコン需要を逃した理由も、この在庫圧縮に一因があるのだと思う。経営にとっては、ブレーキを踏みながらアクセルをふかすのは非常に難しいからだ。在庫圧縮に力を入れろと号令を入れれば、どうしても機会損失が発生しやすくなる。要するに、今年の夏の特需を見逃してでも体質転換を優先したというのが、ヤマダ電機のこの上半期の決算なのである。
恐るべき進化を遂げる中国家電
レベルの違う危機がやって来る
では、今夏の特需を取りこぼしたヤマダが「負け組」で、しっかりと需要を取り込んだエディオンやノジマが「勝ち組」だと考えていいのだろうか。
私は、日本の家電業界はこういった短期的な売上機会とはレベルの違う危機にあると認識している。今、日本の家電メーカーは世界の家電業界の潮流から大きく後れていて、それにもかかわらず、日本の家電量販店はその後れた日本家電ばかりを在庫で積み上げている。
一方中国の家電業界は、インターネットとつながるコネクテッド家電の時代に突入している。それを見据えてアマゾンは、中国の白物家電最大手のハイアールと手を組んで、新世代のコネクテッド家電の開発を進めている。
象徴的な例を挙げれば、それは次世代冷蔵庫である。アマゾンの人工知能「アレクサ」を搭載した冷蔵庫ならば、庫内に足りない食材をユーザーと読み合わせをしながら、買い物リストを個人のスマホに送ってくれるようになる。



