これからの中国製の冷蔵庫のドアには液晶パネルが搭載されて、キッチンでレシピを検索することができるようになるし、選んだレシピを今度はスピーカーが料理中に読み上げ、料理の進行をアドバイスしてくれるようになる。もちろん液晶パネルは、近所のスーパーマーケットのチラシやクーポンを受け取るメディアとしても活躍する。

 中国では白物家電に限らず、こういった先進的な工夫を試行した新しいタイプの家電が次々と開発・発売され、消費者の支持を得ている。翻って、日本の家電量販店の売り場を見るとどうだろう。冷蔵庫売り場には、同じような外見で色と大きさだけがちょっと違う冷蔵庫ばかりが、ズラリと置かれている。日本の家電は周回遅れと言われているが、日本の家電量販店はまさに周回遅れのショールームと化している。

ヤマダは本当に「負け組」なのか
量販店は周回遅れのショールームに

 周回遅れのショールームになる原因は、家電量販店のビジネスモデルが、有力メーカーの商品を並べて販売することで、各メーカーからのリベートによって利益が出るような構造になっているからだ。

 だから今、世界で一番美しくて高性能なテレビが韓国LG電子の有機ELタイプであるにもかかわらず、家電量販店ではパナソニック、シャープ、ソニーの液晶テレビが大きな売り場面積を占めている。

 今はまだ日本の消費者は、日本製家電信仰が強いので、知らずに日本製の家電を買って帰っているが、かつてスマホで起きたように「本当は外国製品の方が性能がいい」ことに消費者がやがて気づくようになるだろう。そうなれば店頭にある家電在庫は、いずれ家電量販店の業績の足を引っ張るようになる。

 つまり、このままではいずれ日本の家電全体が沈む日がやって来る。その視点で、今夏の取り組みを振り返って考えてみるとどうだろうか。いざ「落日のとき」が来たときに「負けた」と言われるのは、果たしてヤマダか、それとも他の量販店になるのか――。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

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