数多くの人気番組を世に送り出してきたTBSテレビ。その事業基盤はさまざまなITに支えられている。一方、メディアという事業の特性上、社員が社外の人や情報にアクセスする機会は多い。そのため、各社員が使うパソコンの稼働状況やセキュリティーパッチの適用実態などを的確に把握・管理することが、ビジネスリスクを低減する上では必須だった。ここでは「SKYSEA Client View」を活用し、5000台以上のパソコンの一元管理を実現した同社の取り組みを紹介する。
パソコン台数が増加し
アプリも多様化
既存ツールでは管理が限界に
2020年にテレビ放送65周年を迎えるTBSテレビ。2015年の60周年を一つの節目として、一層のコンテンツの充実と新しい放送サービスの実現に努めている。
放送文化の担い手である同社の重要ミッションとなるのが、現場業務に欠かせないクライアントパソコンの適正管理だ。メディア事業の特性上、コンテンツ制作を行う社員は外部のさまざまな人や情報にアクセスする必要があり、USBデバイスの利用や閲覧可能ウェブサイトに制限を設けることが難しい。
情報システム局 システム管理部 部次長
栗原 純 氏
「パソコン利用の自由度は下げずに、マルウエア感染などのリスクを低減しなければいけません。このジレンマを解消する手段として、10年ほど前からIT資産管理ツールを使って社内のパソコンの統合管理に努めてきました」と同社の栗原純氏は振り返る。具体的には、各パソコンのインベントリ情報やセキュリティーパッチ適用状況などをツールで可視化し、いち早く対応が進められるようにするものである。
しかし利用開始から数年が経過し、パソコン台数の増加や社員が使うアプリケーションが多様化。既存のツールでは情報を扱いきれないケースが発生していたという。
「数千台規模の当社グループのパソコンを管理する上で、性能面がネックになったとみられるエラーが頻発するようになりました。例えば、社員向けに必要なアプリケーションをパッケージングして提供する際、管理者アカウントで正しく操作をしてもはじかれてしまったり、セキュリティーパッチを配布したくても、処理が遅くて社員がLANに接続している時間内では終えられなかったりといったケースが出てきていたのです」と栗原氏。
この状態では、画面に表示されるIT資産の情報も本当に合っているのか信頼できず、ツール本来の意義にも疑問符が付きはじめていたという。