三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のコンサルティングファーム。同社は現在、ASEAN3カ国(インドネシア、タイ、ベトナム)に拠点を展開し、日系企業の課題に本社と現地法人の両サイドからアプローチする「内外連携モデル」のコンサルティングを展開。MUFGの海外拠点・出資先銀行とも連携して、日系企業のASEAN展開を支援している。
インドネシア
MURCIは設立約20年、現地では日系トップクラスのサービスや支援実績を有するコンサルティングファーム
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、MURC)は、現在インドネシア、タイ、ベトナムの3カ国に海外拠点を展開している。グローバル展開する日系企業にとって、ASEAN(東南アジア諸国連合)は欠かせない地域だ。
“問題は現場で起きている。身近な場所で支援してほしい”という要望が多くなっている。また、生産拠点から販売拠点へ移行するなど、ASEANでの日系企業のビジネスも変化しており、課題は多岐にわたる。
市場ポテンシャルを取り込むべく
事業拡大を目指す日系企業を支援
Consulting Indonesia
取締役ディレクター
中島 猛
MURCのインドネシア現地法人(MURCI)は設立以来約20年の歴史を持ち、同国内では日系トップクラスのコンサルティングファームだ。現地に長く根を下ろしているため、日系企業が進出から撤退までのライフサイクルの中で経験する、さまざまな経営課題に対する支援実績を豊富に有している。
インドネシアの事業環境について、MURCIの中島猛取締役は、「2030年ころまでに中間層以上の消費人口が3倍になる見込みで、市場拡大のポテンシャルは大きい。足元では流通や不動産など、内需を見込んだサービス業の事業拡大や進出が盛んになっている」と説明する。
そのポテンシャルを取り込むため各社は、現地パートナー企業との協業戦略を立案するも一筋縄ではいかないのが実態だ。
インドネシアでの事業展開の難しさについて、中島はこう語る。「パートナー企業を探そうとしても、市場や企業のデータが入手困難で、実態を正しく把握できない。規制変更も多くライセンス取得に向けた条件も複雑で、最適な協業のスキームも絞りにくい」。
そのような状況だからこそ、専門家の力が必要となる。MURCIが実施するプロジェクトの中でも、パートナーとの協業に係る案件は多い。現地に根差しているため、文化や商習慣、現地企業の特性を理解し協業の在り方を支援できるのが強みだ。ある日系サービス業のケースでは、パートナーとの協業を模索する前に、自社の強みと市場の実態を把握することを開始。あるべき戦略を策定した上で、パートナーに求める機能を明確化し、最適な候補先を絞り込んだ。