不安なく「人生100年時代」を生きるためには、キャリアプラン、ライフプランをどう考えればいいのか。経済評論家で、シンクタンク・ソフィアバンク代表の藤沢久美氏に聞いた。(制作/ダイヤモンド社クロスメディア事業局)
経済的にも健康的にも、定年後に働き続けることが必須
50代が「100歳までのライフプラン」を考えるとき、最も気にかかるのがお金の問題だろう。経済評論家で、シンクタンク・ソフィアバンク代表の藤沢久美氏は、「経済的にも健康のためにも、定年後も働き続けることが必須です」と断言する。
「定年後の主な収入である公的年金は、支給額が急激に減らされることはないと思われます。とはいえ、年金額改定のたびに不安を感じるのは、精神的に良くない。公的年金以外にも定期的に入ってくるお金があれば、ストレスを軽減できるでしょう」(藤沢氏。以下、コメント部分同)
厚生労働省が実施した「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)特別報告」のデータを見ても、就業している人は就労していない人よりも健康維持率、健康改善率ともに高くなっている。何かの役割を担って働くことは、健康面にも良いといえるようだ。
人生後半の50年は「縛られない生き方・働き方」を
50代は、今の職場での先行きが見えてきたり、第一線で意思決定する機会が減り始めたりする時期でもある。自信をなくし、諦めモードに入ってしまう人も少なくない。働き続けるといっても、自分にそんな場所や機会があるだろうか、と感じる向きもあるだろう。
しかし、藤沢氏は「今の日本では、知識や経験、スキル、人脈などをもつ中高年人材の“社会人力”が求められている」とエールを送る。ベンチャー企業の立ち上げを手伝っていると、「彼らはすばらしいビジネスアイディアを持っているのですが、営業や人事、総務、経理を担当する人材不足に悩んでいる」というのだ。
アイディアを売り込みに行こうにも、大企業への有効なアプローチの方法が分からない。社内でコンプライアンスを担当する人も監査役もいない。中小企業も同様だ。華やかな肩書きや経歴がなくとも、現場でのスキルや経験を持った人材は再び輝けるのだ。