藤沢久美が伝授。人生100年時代を生きるための「50歳からのライフプラン」

「50代をいかに楽しむか」が、人生100年時代のキーワード

 ベンチャー企業や中小企業にとって、30年あまりの時間を企業人として活躍してきた50代は、のどから手が出るほど欲しい人材だ。とはいえ、”今の肩書きや会社名を失いたくない”というプライドが邪魔をして、新たなステップを踏み出せない人もいる。

「100歳まで生きるとしたら、定年後も40年近くの時間があります。これからは、定年=老後ではなく、新しい人生、新しいキャリアの始まりと考えるべきでしょう。これまで一つの会社や仕事に縛られる人生を送ってきたなら、次の40~50年は縛られない生き方、働き方を考えましょう。考え方一つで、選択肢も可能性もぐっと広がります。50代は、定年後に新しい人生、新しいキャリアを始めるための移行期間なのです」

 自分のキャリアを棚卸しし、何ができ、何が得意か、どんな貢献ができるのか、改めて考えておきたい。

「新たな技術やビジネスを探す大企業と、それを持っている中小企業やベンチャー企業のマッチングもニーズの高いビジネスです。これまでに営業マンとして活躍し、幅広い人脈を持つ人なら、中小企業診断士やコンサルタント、アドバイザーとして独立し、マッチングビジネスを仕事にすることも考えられるでしょう」

築いてきたネットワークが50代の「これから」を作る

 50代で転職を考える場合には、地位向上や収入アップのためではなく、できるだけ”長く働き続けられること”を重視するのも一つの手だ。

「ベンチャー企業に転職し、若い世代を支援する働き方もその選択肢の一つです。今の職場で定年まで勤め上げてから転職してもいいし、チャンスがあるなら今すぐにでもいい。できる範囲で手伝うことから始めることも考えられます」

 もちろん、新しい人生やキャリアの選択肢は、転職だけに限らない。独立を目標に資格を取ってもいい。大学院に進学することで大学で教える道も開けるかもしれない。趣味を生かして副業を始める方法もある。

「転職するにしろ、独立・起業するにしろ、人脈が不可欠です。これまでのネットワークを大切にすることはもちろん、新たなネットワークを構築することも必要でしょう。そのためには、定年に向かうにつれ、社内外で『いい人』になることが大切です」

「働く」と「何もしない」の間には「コミュニティー」がある

 また、「働く」と「何もしない」の間には、「地域や趣味のつながりで『コミュニティーに参加する』がある」と藤沢氏は言う。そして、何より大切なことは、今すぐ始めることと、楽しみながらやることだ。50代なら、まだ体力もあるし、新たな挑戦を始める気力もある。

「何をしたいか分からない人は、まずはフェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSで自分をアピールしてみるのもいいかもしれません。投稿をする際、『♯経理のプロ』『♯バランスシートに強い』『♯総務部長』など、自分のキャリアを説明する”タグ付け”をして、得意分野などをアピールすると、注目されやすくなります」

 繰り返しになるが、肩書きへのプライドや会社にしがみつく意識を捨てれば、自然と肩の力が抜けて、人生を楽しむゆとりも生まれてくるだろう。

「新たな人生を始めても、50年余りの期間に得たスキルや知恵がなくなるわけではないのですから、かなりの好条件でスタートできると言えます。いかに楽しみながら新たなスタートを切れるかが、次の50年に大きく影響します」

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