ディー・エヌ・エーが運営する総合ショッピングモール「ビッダーズ」に出店するEコマース(EC)サイトは約4000社に上る。モバイルECでは圧倒的なシェアを誇る同サイトは、スマートフォンユーザの爆発的な増加に合わせて、早くからECショップのスマートフォン最適化に取り組んできた。その戦略と優位性をディー・エヌ・エーEC事業本部の久我剛人氏に聞く。

「EC導線のスマホシフト」で
発揮されるポジションの強み

――急速なスマートフォンの普及でEコマースはどう変わるでしょうか。 

株式会社ディー・エヌ・エー
EC事業本部 ショッピング統括部
マーケティング企画部 部長
久我剛人(くがたけと)氏

久我:弊社は「モバイルファースト」を掲げ、ケータイ(携帯電話)を主戦場としてきました。しかし、2011年度末で携帯電話のユーザーの25~30%はスマホ(スマートフォン)へ移行したと言われています。

 この変化は私たちにとって大きなチャンス。なぜなら、スマホの普及でECには大きな変革が起き始めているからです。

 ケータイでショッピングをしていたユーザーがスマホへ移行することは当然ですが、今までPCでしかショッピングをしなかった多くのユーザーも、スマホを所有するとスマホでショッピングをするようになります。

 PCでしかショッピングをしたことがなかったユーザーの2人に1人はスマホで毎月ショッピングをするという調査結果もあります。つまり、スマホは単にケータイECの受け皿となるだけでなく、PCのEコマース市場を奪取するデバイスであるということが言えます。

 もちろん、スマホが普及したからといって、PCでのショッピングがなくなるということはありません。将来的に、PCは編集・処理を担う端末となり、ショッピング等はスマホにシフトされていくはず。その流れは弊社の事業拡大に追い風になると考えています。