「働き方改革」にいち早く取り組んできたシステムインテグレーターの富士ソフト。社員の働き方を見える化し、その企業の業務効率化・生産性向上に最も適したICTツールや人事労務制度などを提案している。独自開発したペーパーレス会議システム『moreNOTE(モアノート)』の導入効果にも注目したい。
社会に先駆け
働き方改革に取り組む
富士ソフトは、1989年に育児・介護支援を目的とした在宅勤務制度を導入し、社会に先駆けて働き方改革を進めてきた。
「もともと当社には、『ゆとりとやりがい』という基本理念があります。この考え方の下、働き方改革では『コアコンピタンスは“人”』をテーマに、場所や時間に縛られることなく、社員一人ひとりの事情に合わせた働き方が実現できるように制度や環境を整備し、生産性向上に取り組んでいます」(布目暢之執行役員)
その経緯は、1990年にコアタイムのないスーパーフレックス制度を導入、さらに2012年には経営トップが先頭に立って在宅勤務制度を見直し、生産性向上、業務効率化を目的とした在宅・サテライト勤務制度へと転換した。また、評価制度についても、プロセスと成果を適切に評価する仕組みを整えている。
「経営トップが自ら働き方改革に本気で取り組むというメッセージを発信し、全社員の意識改革を図る一方、新たな在宅勤務制度の利用者を段階的に広げていきました。同時に、職場懇談会で制度の仕組みを社員に説明するとともに、管理者向けの教育も実施。試行により出てきた課題とその解決策を共有するなど、丁寧な準備がスムーズに導入できた要因の1つだと思います」(中村誠治部長)
在宅・サテライト勤務制度は2013年1月に対象を全社員に拡大。テレワークを実現するために、社内システムのクラウド化とペーパーレス会議、仮想デスクトップとリモートデスクトップ、モバイル機器やIP電話の導入などを行ってきた。それらの取り組みが評価され、2017年には日本テレワーク協会「第17回テレワーク推進賞」会長賞を受賞した。
そして2018年7月には、時間帯を固定せずに取得可能な有休や、業務に集中しすぎた身体をリラックスさせたり、喫煙やプライベートの電話・SNS等の節度を持った利用を促すため、10分単位から取得できる「リフレッシュタイム」などメリハリのある働き方を実現する「ウルトラフレックス制度」を導入した。