高齢者の食を考えた食事
手渡しにこだわり 安否や心配事を確認

宅配した弁当は必ず手渡しして、少しの間、顧客との世間話に花を咲かせる――。
シニアライフクリエイトの在宅の高齢者向け弁当の宅配事業「宅配クック123ワンツウスリー 」は、「心と体」の両方の健康を保つことを目標としている。

高齢者の食を考えた食事手渡しにこだわり 安否や心配事を確認高橋 洋
シニアライフクリエイト代表取締役

 「宅配クック123」は、シニアライフクリエイトの高橋洋社長の「断れない」体験から始まった。1999年のことだ。「私が塾講師をしながら弁当店でアルバイトをしていたとき、店が年内で閉店することになり、二十数人の高齢者に食事の提供ができなくなったのです。でも、『来年からはよその店で食べてください』と断ることは、私にはできませんでした」。

 時は暮れも押し迫った12月、高齢者向け宅配弁当のフランチャイズ(FC)本部を立ち上げた。それが「宅配クック123」の始まりである。

 「創業当時の高齢者の“食事情”は実につらいものでした。例えば、大衆食堂の出前は1000円以上だったので、無理に品数を多く頼んで半分捨てていたとか、遠くに住む息子に心配を掛けないよう『ちゃんと食べている』と言いながら、菓子パンを食べていたというような話がたくさんありました。そこで、在宅の高齢者の方に安心・安全で安価な食事を届けることを使命としたのです」と高橋社長は振り返る。

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